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原 石 編

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2004年4月号【太陽ルチル】
2004-04-01
 【太陽ルチル(Rutile Sun)】
堀 秀道氏の【楽しい鉱物図鑑】によると、このような標本は『太陽ルチル』と呼ぶそうだ。石英(Quartz)の一面に放射状に光っているいのは『ルチル Rutile』の針状結晶である。ルチルは二酸化チタン(TiO2)の鉱物で、比較的に産出量の多い鉱物として知られている。
宝石関係の仕事をしている人や宝石が好きな人であれば、もっともよく知っているものに『ルチル入り水晶』や、スター・ルビーの中の『シルク・インクルージョン』がある。しかしそのようなものではルチルといっても大変に細く小さなものである。この標本では左右の差し渡しが5cmある。堀氏によるとこのように大きなものとなると、もはやスター・ルビーの中の星(スター)というわけにはいかず、太陽(のルチル)というのだそうな。この太陽をよく見ると、放射光の中心に黒色のやはり六角形の結晶がある。『ヘマタイト Hematite(Fe2O3)』である。ヘマタイトを中心として、その角から六方向に黄金のルチルの光が輝いている様は、なるほど太陽といえる。ルチルの針はヘマタイトに支配され、決まった方位に伸びている。このような成長の仕方を『エピタキシー(epitaxy)』と呼ぶ。
標本は、ブラジルのバイア州ハボ ホリゾンテ産。

エピタキシー →(epitaxy)    基盤となるホスト結晶の面上に、一定の結晶学的方位関係を持ち別種のゲスト結晶が成長する現象。
 
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