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原 石 編

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2005年4月号【奇石・珍石-その7“雷管石”】
2005-04-01
 奇石・珍石-その7【雷管石】

『雷管石』、ちょっと聞き馴れない名前である。火縄銃の、握り柄の部分の近くに添え付けられている、発砲する際に必要な発火具の事ではない。“雷管石”とは、大地に雷が落ちた際に、その高熱で電流が流れた方向に形成された痕跡物である。大地とは言っても砂漠などに特徴的に見られるもので、堆積物にある程度の空間が存在することが条件で形成される。電流の通り道にあった砂粒などが瞬時に溶解して形成されるものらしい。つまり雷管石とは『サンド・フルグライト Sand Fulgurites』の和訳名である。和訳とは言っても、それは完全な直訳ではなく、その形状と形成のされ方から付けられた名前である。空から放たれ、砂地に撃ち込まれた電流は地中に対して真っすぐに流れ込み、さらには不可思議に曲がり、そして時には樹枝状に複雑に分岐した。結果、電流の通路にあった石英の砂粒は、完全に溶融してガラス状になった。それは、かなりの急速度で砂がガラスに変化したらしい。通り道でガラス化して空洞の管を形成した壁の内部には、無数の気泡が見られる。壁の厚みは0.5~2mm程度である。
落雷により砂がガラス化する際の温度はどの位のものだろう。溶けているのは分析の結果『石英 Quarts(SiO2)』の砂であるから、その熔融点の1710℃以上で形成されたものである事がわかる。雷管石は、言わば“雷の化石”とでも言えようか。雷管石はアフリカのサハラ砂漠がもっともよく知られた産地である。しかし日本ではまだ産出の報告はない。
 
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