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カット石編

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2004年7月号【セラミック・プレスト・カメオ】
2004-07-01
『セラミック・プレスト・カメオ(Ceramics pressed cameo)』
写真は“焼き物のカメオ”、言い換えれば瀬戸物のカメオである。正確に言えば『セラミック・プレスト・カメオ』となる。金属製等の雌型を使って粘土で形を作り、焼成して作ったカメオである。本来、『カメオ』とは“浮き彫りされた彫刻品”をいうが、その語源は異なる色の層を生かした彫刻をいう。よく知られたその材料の代表は『瑪瑙』であり、貝殻を彫り上げた『シェル・カメオ』も知られたところである。
したがってその素材という観点からすれば、セラミック・カメオは偽物的に考えられている。しかしセラミック・カメオは“彫刻されたものではない”という部分を考えなければ正確には一つのカメオ芸術である。その代表が『カメオ・ウェア Cameo were』で、イギリスの陶工“J.ウェッジウッド”により作られた【ウェッジウッド・カメオ】と呼ばれるものである。
ところでこれによく似たものに『モールデッド・カメオ Moulded cameo』がある。外観はプレスト・カメオに酷似するが、こちらの方は材料を鋳型に流し込んで作ったものであり、原料からくるコスト低下と生産性の向上という点から、プレスト・カメオよりも製品を安価に大量生産できる。型流しで作った、いわゆる“安物の(茶碗などの)磁器”といえば分かりやすいだろう。
写真のカメオは前者のもので、二種類の粘土を使っている。茨城県の笠間で作られたもので、およそ30年前の製品だが作者及び工房は不明である。
 
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