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カット石編

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2005年2月号【インペリアル・ソーダライト】
2005-02-01
 『インペリアル・ソーダライト(Imperial sodalite)』

この宝石、ブルーの色をもつ事で業界内では知れらてはいるが、じつは一般にはあまり知られてはいない。それはラピスラジュリの陰に隠れてしまっているからで、ラピスラジュリの歴史の古さと宝石としての捉えられ方に対抗するものがなかったからである。とは言っても、ソーダライトはラピスラジュリとまったく同じ歴史を持っているのである。どういうことかと言うと、ソーダライトはラピスラジュリの中に含まれているからである。じつはほとんどのラピスラジュリは、ラジュライトを主とするものの、ソーダライトを初めとする数種類の鉱物の集合体なのである。ラピスラジュリの色合いは、これらブルーのどの鉱物が多いかで変わってくるわけだが、じつは通常のソーダライトはややくすみ気味の色をしていて、比較的に地味なブルーである。それでも比較的に大きな塊りの原石で産出するから、彫刻材として使われることが多い。
この宝石は、カナダ、ブラジル、インド、ナミビア、そして南アフリカ、ロシア、北朝鮮、中国が産地として知られている。産地による色の差はあまり大きくない宝石だが、中にはとんでもなく見事な美しさを持った原石も発見される。南アフリカの一部やナミビアからは、半透明から透明に近いサファイアのような質感の石が発見されている。特にナミビアからは、柔らかな濃く深い色合いのものを産し、『インペリアル・ソーダライト』とか『ロイヤル・ブルー・ソーダライト』と呼ばれてキャラット単位で取引されている。そのようなものではかなり美しい宝石なのだが、しかし今から30年位前には時々宝石市場で見かけたものの、この頃はまったくその姿を見ていない。【Na8Al6Si6O24Cl2】の成分を持ち、和名は『方ソーダ石』。名称は“ソーダ(Na)”分を含有することから名付けられた。
 
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