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カット石編

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2005年3月号【三宅島産ペリドット】
2005-03-01
 『三宅島産ペリドット(Peridot)』

この宝石名は正式なものではない。
16号で取り上げたのが『ハワイアイト(Hawaiite)』ならば、このペリドットはさしづめ【ミヤケアイト(Miyakeite)】と呼べる内容のものだろう。色はハワイアイトと比べるとかなり褐色味が強い。  このペリドットは、古代の火山活動で雄山から噴出した玄武岩質溶岩の中に含まれていた斑晶である。母岩部分は噴出後長年の経過により風化して消えてしまい、脱落した結晶が波に洗われ淘汰されて三ノ宮海岸辺りに堆積したものである。この結晶は明治時代に採集されたものだが、最大の結晶は5ミリもある。結晶の表面は幾分丸まっていて、さらには波に浸食されてしまい、その表面は“磨りガラス状”になってしまっている。
そのいくつかを試しに研磨してみた。研磨してみて、それまで見えなかった内部が見えた。驚いた事に、“ミヤケアイト”は“ハワイアイト”とまったく同じ特徴を持っていた。包有物(インクルージョン)は両者共に完全に同一のものであり、“気泡”と見まがう小さな丸い粒が入っている。その粒は“ハワイアイト”と同じで、マグマから供給された“ガラス滴”である。
 
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